精密ろ過

クーラント用ろ過装置の性能が大幅にアップ
目詰まりしない逆洗浄フィルターエレメント

クーラント装置は、金属類を機械加工する際、切削油などのクーラント液（冷却剤）を使って摩擦熱などを冷却する装置です。

従来、クーラント液に混入しているスラッジを除去するためのクーラント用ろ過装置に使用されるフィルターエレメントは、金網、ウェッジワイヤ、ノッチワイヤなどで製作されるのが一般的でした。これらを長時間使用した場合、スラッジによりフィルターが目詰まりし、定期的な交換や分解洗浄が必要になるだけでなく、加工工程にまで影響を及ぼすことが問題となっていました。

その課題を、電子ビーム穴あけ技術で加工したフィルターエレメントに変更したことで解決しました。電子ビーム穴あけ加工にすると、金網、ワイヤーなどの織目や支持体がないので、スラッジがエレメントに引っかからず目詰まりしません。また、穴断面がテーパー形状なので、大小ある穴径のうち大きい方の穴から逆洗浄することで、エレメント表面上のスラッジを効率的に排出することができます。

他のエレメント材と異なり表面が滑らかなため、電解研磨を施すことができ、洗浄が容易なサニタリー性の高い構造になりました。また、剥離性が向上し、通常のクーラントろ過フィルターで問題となるイグロス付着に起因した目詰まりもなくなりました。